「博士人材の民間企業における活躍促進に向けた検討会」を終えて
検討会への参画を終えて ―― 代表取締役 山田 諒
私は、今回の「博士人材の民間企業における活躍促進に向けた検討会」を構成する委員の内、唯一、博士人材と民間企業のマッチングを担う立場として参画いたしました。創業以来18年以上、アカデミアと産業界の双方と密に連携をしてきた企業の代表として、本検討会では、双方のニーズや課題を俯瞰的に踏まえた意見やデータを提出する、サッカーの「ボランチ」のような役割を果たすことを第一に会議に臨んでまいりました。
本検討会を終え、アカリクだからこそ気付くことができる、博士人材にまつわる課題や、それに対し提案できることが多くある事実に改めて気付くと共に、今後もそういった情報を積極的に発信していくこと、また私たちの事業活動を力強く推進していくことが、博士人材の民間企業における活躍を促進する上での使命であると感じました。
今、技術革新やグローバル化、人々の価値観の変容などにより、企業の経営課題は極めて高度なものとなりつつあります。私たちは、こうした社会環境において、高度な専門性とトランスファラブルスキル(※)を有する博士人材がそれらの課題を解決する鍵になることを確信しています。日本の未来を担う社会の一員として、アカリクは今後も、大学院・企業・政府の皆さまと共に、博士人材が「知恵」を余すこと無く発揮し、活躍することができる社会を目指してまいります。
株式会社アカリク 代表取締役 山田 諒
アカリクで活躍する博士人材
アカリクでは、多様なバックグラウンドを持つ博士人材が様々なビジネス領域で活躍しており、社員(2025年4月入社予定者を含む)全体の約18.5%が博士課程の出身です。以下では、アカリクで活躍する博士社員の一部をご紹介いたします。
セールスイネーブルメントチーム リーダー 白井 英登
香川大学大学院 工学研究科 材料創造工学専攻 博士後期課程修了 博士(工学)
営業チームのパフォーマンス最大化と効率向上を支援するセールスイネーブルメントチームのリーダー。営業手法の標準化や教育プログラムの提供に取り組む。成績の良い営業パーソンのメソッドを解析し、データに基づいた強みや弱みの分析を行うことで、属人化を防止する仕組みを構築している。
博士課程では、レーザー光を用いたテラヘルツ波の発生とその強度向上に関する研究に取り組んだ。研究ではフォトニック結晶を用いたテラヘルツ波の強度向上に焦点を当て、その成果を論文として発表した。博士課程修了後は自然科学研究機構 分子科学研究所で特任助教も務めた。
事業推進部 大学・学会連携担当 浅岡 凜
東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻 博士課程修了 博士(理学)
既存事業や新規事業の推進を目的に、社内外の連携を通じて複数の萌芽的プロジェクトを進める部署に所属。大学での教育やキャリア支援の経験を活かし、主に大学向けのキャリア教育コンテンツの開発と提供を担当している。また、産学官連携による博士学生向け教育プロジェクトの運営支援にも携わり、幅広いステークホルダーとの協働を通じて事業の発展に貢献している。
博士課程では、植物と動物における細胞内の物質輸送の仕組みの違いがそれぞれの生存戦略にどのように関連しているかを研究。特に、物質輸送を担う鍵となるタンパク質の1つで、植物でのみ多様化し種類が多い「RAB11」に注目し研究に取り組んだ。博士課程修了後は、研究者を経て、大学の教育系センターの教員としてのキャリアを積んだ。
アカリクについて
2006年11月、修士課程や博士課程の大学院生が有する高度な「知恵」が、アカデミアだけでなく産業界でも十分に活躍できる社会を目指すため、コーポレートミッション「知恵の流通の最適化」を掲げ、アカリクは誕生しました。
私たちが「知恵の流通の最適化」を目指し行う事業活動により、大学院生は、自身のもつ「知恵」を余すことなく発揮することができるキャリアを選択することができ、その結果、大学院進学者の増加や、ひいては日本の研究レベルの向上に寄与できると考えています。
アカリクは、社会の研究開発活動がさらに活発化し、たくさんのイノベーションが生まれ続ける世界を実現するためのインフラとなることを目指しています。
関連リンク
「博士人材の民間企業における活躍促進に向けた検討会」関連
博士人材の民間企業における活躍促進に向けた検討会 - 経済産業省
博士人材の民間企業における活躍促進に向けた検討会 構成員名簿 - 経済産業省
委員提出資料1 博士人材の活躍に関する当社の課題意識(アカリク)
委員提出資料1 博士人材の活躍促進に関するアカリクの取組について(アカリク)
報道関連
「博士人材」活用へ手引書 競争力強化へ環境整備【WBS】- YouTube
アカリクの独自調査によるプレスリリース
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