I N T E R V I E W
社員インタビュー
キャリアカウンセラー
吉野 宏志
Hiroshi Yoshino
営業本部 人材紹介事業部
2016年入社/人文社会科学研究科
文芸・言語専攻(一貫制博士課程 単位取得退学)
吉野 宏志Hiroshi Yoshino
キャリアカウンセラー
営業本部 人材紹介事業部
2016年入社/人文社会科学研究科
文芸・言語専攻(一貫制博士課程 単位取得退学)
大学院修了後に教授職や研究職に就ける方はほんの一握りに過ぎません。その現実は、私自身が大学院在籍中に当事者として痛感していました。仮に公募があっても応募条件を満たせずに挫折してしまいます。その後になって企業就職の検討を始めたところで、すでに時期を逸しており、博士課程まで進んだ優秀な方ほど機会損失を被りやすいという事実があります。
こうした状況を打開するためには大学院外部からの積極的な支援が欠かせず、「知恵の流通の最適化」を掲げるアカリクだからこそ、その要請に応えられるのではないかと考えました。また、純粋な知識欲という研究者としての原点に立ち返ったとき、直接的な利益に直結しない学問に対して熱意を持って取り組むことができる社会環境をつくることへの意義深さに気づいたことも理由の一つです。
私が担当している主な業務は、大学院生・ポスドクや転職希望者に対するキャリアサポートの割合が最も多く、次いで企業や団体との商談・交渉、アカリク主催・共催セミナーでの講演となります。イベントで司会を依頼されることも多く、顔や名前が表に出る機会はなるべく積極的に請け合うことにしています。
大学院生や研究者と企業が互いを高く評価し、望ましい形でマッチングが成功したときは、やはり嬉しく感じます。一個人の熱意だけでは成し遂げられないことも、組織として長期的な持続可能性を追求することで継続でき、それがやがて社会を変革することにつながっていくと感じています。
仕事のスタンスとしては、誰からの依頼でもすべて応じる前提で検討しています。それは、自分の限界を超える機会になり得ることと、依頼主の自分に対する評価を見極める判断材料となるからです。
個人的には、「研究室のような雰囲気」という表現が最も的確ではないかと感じています。指示系統という意味で上下関係はあるものの、顔色を窺いながら仕事をするようなことはなく、むしろ相手が上長であっても誤りは誤りであると指摘することが日常的です。大半の社員が大学院出身のためか真面目に黙々と仕事をこなす人が多く、オフィス内は静かな印象です。
また、社員の専門分野が多種多様で、キャラクターもさまざまなので、自分一人ではできないことも、お互いに補い合うことでできていると思います。そのようなチームにおいて、私は比較的興味関心の幅が広く、多様な話題に対応できることもあって、ハブ的な役割を果たせているのではないかと自負しています。
現在の就職支援・転職支援の仕事に加え、今後は「キャリア教育」や「政策提言」といった方向の仕事にも携わっていきたいと思っています。
キャリアサポートの仕事をするなかで多いのが、大学院生や研究者に対して「あと半年でも早く相談してくれれば」と悔しく感じることです。これは、多くの求職者が、実際に就職活動を始めてから自身のキャリアについて深く考えるようになるためです。もちろん研究職を目指す方にとってもキャリア形成という観点は非常に重要なので、研究支援という意味でもキャリア教育に取り組みたいと思っています。
また、大学院生やポスドクの方々と直接接点を持っていることに加え、そういった方々を採用する企業についての知見も有する「知恵の流通の最適化を目指す会社」として対外的にも広く情報提供を行うことで、社会全体に対して大学院生や研究者への理解促進を進めていきたいと考えています。
イギリスの大学でエジプト学(Egyptology)の学士号を取得しました。古代エジプトの研究領域は非常に幅広いのですが、私は特に文献学・言語学に傾倒していました。帰国後、大学院に進み、修士論文の研究では古代から現代までの中近東・アフリカの諸言語の文献調査を、博士論文の研究では現代エチオピアの民族語の一つを対象に現地でのフィールドワークを行いました。大学院の最終年度には世界一周して学会発表をしてきましたが、博士論文は今も執筆中です。
研究の過程で体験した、バックグラウンドの異なる方々とコミュニケーションを取って、お互いの利益となるように交渉して継続的に関係を構築し続けるという一連の流れは、今の仕事においてもおおいに活かされています。
週末は妻や友人と出かけることも多いのですが、特に予定がなければ家でごろごろして過ごしています。基本的にはインドア生活です。
また、論文博士として博士号の取得を考えているため、細々とですが勤務時間外で論文執筆を続けています。最先端技術や異分野の研究の話を聞けるイベントがあると、仕事帰りに立ち寄ることもあります。